2026年夏・土用の丑に備える鰻仕入れ戦略|シラスウナギ漁期終了後の今が動き時

仕入れ・食材

2026年夏・土用の丑に備える鰻仕入れ戦略|シラスウナギ漁期終了後の今が動き時

2026年の土用の丑の日は7月26日(日)です。今日4月10日の時点で、残り107日です。鰻専門店や鰻メニューを提供する飲食店にとって、この「残り107日」という数字には明確な意味があります。夏の繁忙期に必要な仕入れ量を確定し、業者への予約を完了させるタイムリミットが、まさに今この時期だということです。

2025年12月〜2026年3月のシラスウナギ漁期が終了し、各産地からの漁獲量データが出揃っています。この漁獲量が今夏の国内ニホンウナギ(アンギラ・ジャポニカ)の供給量と価格に直結します。「漁獲が少なかった年は夏前から品薄になる」——この業界の鉄則を知っているオーナーほど、4月の段階で動き始めています。今動いているかどうかが、7月の店頭在庫を左右します。

本記事では、2025-26年漁期の速報データと主要産地の仕入れ相場を解説し、個人飲食店が今から実践すべき調達戦略を具体的な手順でまとめます。


2025-26年漁期のシラスウナギ漁獲量速報

国内漁獲量の傾向:前年比回復も依然として低水準

2025-26年漁期(2025年12月〜2026年3月)の国内シラスウナギ漁獲量は、主要産地合計で前年比10〜15%の改善が確認されています。2024-25年漁期が記録的な不漁だったことを考えると回復基調に見えますが、2010年代以前の漁獲水準からは依然として大きく下回っており、業界全体の供給タイト感は続いています。

産地別に見ると、静岡・愛知の東海地方では一定量の漁獲が確保されました。一方、鹿児島・宮崎の九州系産地では引き続き不漁傾向が続いており、高知・徳島の四国産は例年並みの水準です。産地によって明暗が分かれる漁期となりました。

中国・台湾養殖物の動向

国内不足を補う形で輸入されているアンギラ・アンギラ(ヨーロッパウナギ)の中国・台湾養殖品は、2026年春時点の輸入価格が前年比5〜8%上昇しています。中国国内の人件費・飼料コストの上昇と、円安の継続が主な要因です。国産ニホンウナギとの価格差は2026年現在も大きく開いたままであり、品種の使い分けが仕入れコスト最適化の鍵となっています。


主要産地・品種別の2026年仕入れ相場感

飲食店が鰻を仕入れる際の相場感を産地・品種・特徴別に整理します。以下は2026年春時点の卸市場での参考価格帯です。実際の仕入れ価格は発注量・業者との関係性・産地の年間変動によって異なります。

区分 品種 主産地 参考卸単価(kg) 特徴
国産・最高級 ニホンウナギ(アンギラ・ジャポニカ) 浜名湖・一色 6,500〜8,500円 皮薄・脂のり最良、看板メニュー向け
国産・標準 ニホンウナギ(アンギラ・ジャポニカ) 鹿児島・宮崎 5,500〜7,000円 均質品質・安定供給
国産 ニホンウナギ(アンギラ・ジャポニカ) 高知・徳島 5,000〜6,500円 価格と品質のバランス良好
輸入養殖 アンギラ・アンギラ 中国・台湾 2,500〜3,500円 コスト重視・脂多め

この価格差を見ると、個人店が最高級の浜名湖産を少量スポット発注した場合、大手チェーンが大口発注で得る卸価格より1kgあたり1,500〜2,500円高くなるのが一般的です。年間発注量が500kgの個人店では、この仕入れ単価の差だけで年間75万〜125万円のコスト差が生まれます。メニュー価格を変えないまま、この差を縮めることが利益改善の最短ルートです。


個人飲食店が直面する仕入れの「3重苦」

重苦1:少量発注では優先的に取引してもらえない

鰻の卸業者が取引先に割り当てる数量は、年間発注量に応じた「顧客格付け」によって管理されています。月間発注量が30〜50kgの個人店は、月間500kg以上を発注する大手チェーンや量販店と同じ業者に依頼しても、品薄時には後回しにされます。

土用の丑の前月(6月下旬〜7月上旬)は特に需要が集中し、予約を入れていない個人店は「在庫がありません」と断られるケースが実際に発生しています。これが夏の繁忙期にメニューを提供できなくなる最悪のシナリオです。

重苦2:相場急騰のリスクを1店舗で全量負う

シラスウナギの漁獲量は年によって大きく変動するため、鰻の卸価格もそれに連動して上下します。大手チェーンは年間契約・先物的な仕入れによって価格変動リスクをある程度ヘッジできますが、個人店は基本的にスポット発注です。需要が高まる夏前に相場が急騰しても、価格変動のリスクをそのまま受けるしかありません。1店舗で年間の価格変動リスクを全部背負う構造が、個人店の利益率を圧迫し続けています。

重苦3:産地・業者との直接交渉力が生まれない

「産地直送で安く仕入れたい」と考えるオーナーは多いですが、産地の養鰻業者が直接取引に応じるのは、年間数百kg以上の発注量が見込める相手に限られます。月間20〜30匹程度の発注規模では、産地との直接ルートを開拓する交渉力が成立しません。個人店が努力だけで越えられない構造的な壁がここにあります。


土用の丑まで107日:今すぐ実践する仕入れ準備の3手順

手順1:夏の必要仕入れ量を逆算して数字を確定させる

まず昨年の土用の丑前後1ヶ月(7月〜8月)の来客数と1人あたり鰻使用量から、今夏の必要仕入れ量を計算します。

計算例(月間来客数300人・1人あたり鰻130g使用の場合)

7月分:300人 × 130g × 1.1(ロス率10%)= 42,900g ≒ 43kg

8月分:300人 × 130g × 1.1 = 42,900g ≒ 43kg

夏2ヶ月合計 = 約86kg

この数字を業者に伝え、4月中に86kgの予約枠を確保することが最初の一手です。品薄が予想される年は、予約確保の遅れが欠品に直結します。

手順2:複数業者に分散発注して調達リスクを下げる

必要量86kgを1業者に一括発注するのではなく、2〜3業者に分けて発注することで、1業者の在庫切れ・品質問題リスクを分散できます。

業者区分 発注量目安 役割
メイン業者 必要量の65〜70% 品質重視・通常供給の中核
サブ業者A 必要量の20〜25% 価格比較・品薄時の補完
緊急時サブ業者B 随時 スポット対応・急な追加発注用

6月下旬に「当月追加で何kgまで対応できますか?」と各業者に確認しておくと、7月の需要急増に柔軟に対応できます。この確認を4月の段階でしておくことがポイントです。

手順3:新規業者のサンプル発注を4月中に済ませる

新規業者・産地を開拓する場合は、必ず少量のサンプル発注(5〜10匹)を4月中に実施します。確認すべきポイントは「サイズの均一性(160〜200g帯が揃っているか)」「脂のり(過脂になっていないか)」「臭みの有無」の3点です。合格した業者だけを本発注に進めることで、夏の繁忙期に品質トラブルが起きるリスクを最小化できます。「7月に初めて使う業者の品質が想定外だった」では手遅れです。


鰻仕入れでFC加盟とVC加盟を比較する

仕入れコストと調達安定性の観点から、鰻フランチャイズ(FC)とボランタリーチェーン(VC)を整理します。

比較軸 鰻FC(一般的) 屋台うなぎ VC
加盟金 100〜500万円 開業支援費用30万円
ロイヤリティ 売上の3〜8% 不要
鰻の仕入れ 本部指定のみ・変更不可 VC共同仕入れが必須(=規模メリットの源泉)
鰻以外の食材 本部指定または承認制 各店舗が自由に仕入れ(地場業者と継続可)
仕入れ単価 本部マージンが乗る場合あり 鰻の物量を束ねて大口価格を実現
品薄時の優先順位 本部からの割り当てに依存 VC加盟店全体で確保した枠を分配
屋号・メニュー 統一必須 自由

FCでは仕入れ先が本部指定に固定されるため、本部のマージン構造によっては個人店がスポットで調達するより単価が高くなるケースもあります。VCでは加盟店全体で鰻の物量をまとめることで、個店では不可能な大口価格での調達が可能です。共同仕入れの対象は鰻のみで、米・タレ材料・酒類・副菜などの他食材は各店舗が長年取引してきた地場業者と関係を保てます。自店の看板とメニューの自由度、地域取引先との関係を守りながら、鰻という最大原価品目だけ大手並みの調達力を手に入れられる点がVCの最大の特徴です。


よくある質問(FAQ)

Q1. 今から仕入れ業者を変えるのは遅いですか?

4〜5月の業者変更・追加は十分に間に合います。まずサンプル発注から始め、5月中に本発注量を確定させれば、7月26日の土用の丑には余裕を持って対応できます。問題なのは「7月に入ってから探し始める」ことです。現在取引中の業者との関係を維持しながら、サブ業者として新規ルートを追加する進め方が最もリスクが低い選択です。

Q2. ニホンウナギとアンギラ・アンギラは味がどう違いますか?使い分けの基準は?

ニホンウナギ(アンギラ・ジャポニカ)は皮が薄く身がしっかりしており、蒸し焼きで脂が適度に落ちてさっぱりした仕上がりになります。アンギラ・アンギラは脂が多めで身が柔らかく、タレとの相性が強いパンチのある味わいです。高単価コースや看板メニューはニホンウナギ、ランチ・テイクアウト向けの廉価メニューにアンギラ・アンギラというように用途で使い分けることで、原価率を最適化できます。

Q3. 夏に向けて予約発注した量を後でキャンセル・減量できますか?

業者・契約形態によりますが、繁忙期向けの予約発注はキャンセル不可・減量不可の条件で確保されるのが一般的です。このリスクを避けるため、予約量は「最低限必要な量」からスタートし、6月中旬に追加発注できる枠を業者に事前確認しておくことが重要です。「追加で何kgまで対応できますか?」という確認を4月の交渉段階でしておくと、需要変動に柔軟に対応できます。

Q4. 養殖うなぎのサイズ(g)は何を選ぶのが適切ですか?

飲食店での使用に最も適したサイズは160〜200g帯です。このサイズは蒲焼きにしたときの見た目のバランスが良く、うな重・うな丼に1匹を2〜4カットして提供するのに最適です。180g前後の均一サイズで揃えると調理時間・火加減・提供量が安定し、スタッフのオペレーション効率が上がります。120g以下の小ぶりは仕入れ単価が安い一方、提供時の見た目が貧弱になりやすく、メニューの客単価設定との整合性を確認した上で選択する必要があります。


個人店の鰻仕入れには、構造的な限界があります

ここまで解説してきた内容を、自店で実践しようとしたとき、多くのオーナーが直面するのが「鰻の仕入れ交渉力の壁」です。産地直送・養鰻場との直接取引・価格交渉——いずれも、発注量がまとまってはじめて相手が真剣に向き合ってくれます。月に数十匹しか鰻を仕入れない個人店が、大手チェーンと同じ単価で交渉できるはずがありません。

この問題を根本から解決する仕組みが、鰻の購買量を加盟店間で束ねる「ボランタリーチェーン(VC)」の共同仕入れです。VC加盟店全体で鰻の物量をまとめることで、個店では不可能だった大口価格・安定供給・品質保証の三点を同時に実現できます。共同仕入れの対象は鰻のみで、米・タレ材料・副菜・酒類などの他食材は各店舗が自由に仕入れを継続できます。フランチャイズとは異なり、自店の看板もメニューも、地場の取引先との関係も変える必要はありません。

まとめ:一歩を踏み出すために

ノウハウを理解することと、それを自店で実際に形にして利益を出すことの間には、大きな壁があります。ウナギプレスでは、あなたの今の店舗状況に合わせた「本格鰻メニュー導入 無料オンライン経営相談」を個別に実施しています。最短ルートで鰻ビジネスの強みを取り入れたい方は、まずは気軽にお話してみませんか?

ボランタリーチェーン 先行募集中

ウナギプレスでは、あなたの今の店舗状況に合わせた「本格鰻メニュー導入 無料オンライン経営相談」を個別に実施しています。職人不要・過剰な設備投資不要で、既存の厨房と人員を活かして最短で鰻ビジネスの強みを取り入れたい方は、まずは気軽にお話してみませんか?

  • 完全無料・約60分・Zoomによるオンライン対応
  • 強引な勧誘は一切なし。情報収集段階でも大歓迎
  • あなたの業態・設備に合わせた個別の収支シミュレーションを提示

所要時間:約60分|費用:無料|形式:Zoom


タイトルとURLをコピーしました